哀愁然着

愛執染着。転じて、哀愁然着。

男女のおぞましくも狂おしい愛欲。その執着が転ずると、哀愁を然とし、囚われながらもそれを着る。

満たされることなど何処にもないことを知っている魂は大海原を漂う木の葉のように、ただ、当て処なく流離うのみ──。


*未公開→公開

___ spelt by vincent.