心の毛布になりたくて

紡ぎ出された悲痛な叫び。
声なき声を鼓膜の振動が伝える。

行間の狭間に埋もれた嘆きを、
読めない文字を視覚以外で拾う。

俺には何も見えない。
だからこそ
誰よりも見える、と云う自負が宿る。

魂で来いや。

鋼の精神は破壊を試みても無駄な足掻き。
何度も崩壊する度に再生を繰り返して来た。

そして、今の俺が在る。
誰よりも屈強で脆弱な男──。

ランキング度外視で、
きみは一番心強い味方を
既に手に入れているんだよ。

気付いてないかな?

魂で来いや。魂で来いや。魂で来いや──。
夏でもふかふかな毛布でくるんでやる。

大好きなきみへ、きみの大嫌いな「男」より

___ spelt by vincent.