Let bygones be bygones

「本日は営団地下鉄… えぇー。失礼しました。東京メトロ○○○線をご利用いただき、誠にありがとうございました。次は…」

本日、通院するため地下鉄を利用したのだが、車内アナウンスに思わずニヤリとしてしまった。

地下鉄のイメージを一新するために社名を変更してみたり、駅毎にナンバリングしてみたり、CMを流してみたり、と経営サイドでは苦心しているにも関わらず、その思惑とは裏腹に現場サイドでは意識改革ができていないのか、習慣のマジックなのか… 何とも滑稽に感じた。

地下鉄に限らず、どの企業でも「そんなもんかな」などと、被雇用者と雇用者の壁と意思疎通の希薄さを目の当たりにした気もした。

「『笛吹けど踊らず』やんけ…」(苦笑)

さておき…

通院して検査をした。脳外科と耳鼻科だ。
脳のCTスキャンは異常なかった。

「脳外的には問題ないですね。念のため1ヶ月後にもう一度来てください」

順調に回復しているようだ。次に耳鼻科。
担当は女医さんだ。

「う〜ん。鼓膜の裏のほうから何か出てますね…」

手術直後は髄液が出ていたが、脳との通路は塞がったのでそれではない。

「多分、鼓膜の裏側の壁が傷ついてるのかも知れないけど、粘液が固まっていて見えないのよねぇ…」

歩くたびにチャプンチャプン鳴っていたので、何かしら流れ出ているのは知っていた。

「ちょっと吸引してみますね」

鼓膜が破れている上に粘液で塞がっているのも手伝って、右耳は殆ど聞こえない。常に音がこもった感じだ。

女医さんは、ある程度吸引し終えると、マジマジと耳の穴を覗き込んでいた。照れる必要はひとつもないが、何だかとても恥ずかしい気がした。

満足行くまで(?)覗くと、「抗生物質も出しておきましょう」と言った。
退院後、一回目の検査では痰切り薬「ムコダイン」という錠剤をもらっていた。そのときは抗生物質を余り出したがらない様子だったが、期待する結果が得られなかったようだ。来週も外来で来てください、と。

「何か変わったことはありますか?」と尋ねてきたので、「三半規管が原因かどうかは分からないんですが… それほど急激に頭を動かさなくても世の中がグワァ〜っと回るというか… 頭がブレるんですよ。で、『あ。気持ち悪い、気持ち悪い…』みたいな…」と応えた。

すると、眉を八の字にして同情するような眼差しで… と、この女医さん。診察時はマスクをしているのでなかなかの美形なのだが、マスクなしの顔を見たとき、少々幻滅したのを覚えている。

さておき…

「それは脳震とうと同じで、中耳が震とうしている状態なんですよ。」
「はぁ… そーなんですか…」
「だって、かなりの衝撃を受けたから… 完全に治るには2〜3年掛かるかも知れないわね」

それを聞いて顔を顰めた。そして、ほとほと呆れ果てた。自業自得とはいえ、デタラメにも程がある…
そして、今の時期、風邪を引くと耳にも影響するから気を付けるよう言われたので了解した。

「じゃ。また来週。お大事に」
「ありがとうございました」

会計を済ますと薬局へ向かい、しばらくボーっと待ってから薬を受け取り、トボトボと駅へ向かった。

JRに揺られ、乗換駅で降りて地下鉄に乗った。そして、自宅の最寄駅に着く前に冒頭のアナウンスだ。少しのニヤリでトボトボから解放されるとは、なんて適当なのだろうか。

そうだ。パチンコでも打つか。

駅前のパチンコ屋に入り、しばらく台を物色した後、おもむろに打ち始めた。

Yes!! 瞬く間にドル箱を8箱積み上げた。

「や~調子イイなぁ〜♪ 時給ナンボや?」

…バカにつける薬はないようだ。
でも、勝ったから、まいっか☆


[ No. 001 ] Let bygones be bygonesとは
vincent. 2004/04/02 (Fri) 07:48:47
Netscape 7.02 (Macintosh)


過去のことは過去のこと。
水に流せ、という意味。

過去を消す消しゴムもなければ、
過去をやり直す方法もない。

ただ、過去の積み重ねが現在であり…
いよいよ何とかならんもんかねぇ〜(苦笑)

___ spelt by vincent.