忘却

「覚えてる?」
「何を?」

「ああ、忘れちゃったのね…」
「何のことだ?」

「あなたは自分のことしか興味ないんだわ…」
「興味?」

「ええ、自分さえ良ければ他人はどうでもいいのよ…」
「ああ、誤解を与え兼ねないが大枠はそうだと思う」

「はぁ…」
「──」

「何故、人は忘れてしまうか知ってるか?」
「──?」

「興味がないとかは関係ないんだ」
「──」

「骨身に滲みてないからさ」
「──」

「丹念に何度でも塗り重ねろ」
「──」

「そうすればやがて浸透する」

女は背を向けた。

「おい。俺の話…」
「忘れたわ──」

凍てつく空気が瞬時に浸透した。

___ spelt by vincent.

コメント (2)

vincent. 2012年2月24日(金) 02:35

春よ来い。早く来い。。(´∀`*)

vincent8902 2012年2月25日(土) 00:03

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