前世・現世・来世──未来永劫に続くと思われている輪廻転生のメビウスリング。
その「束縛」から「解放」されること。
それこそが真のカタルシス。
精神の浄化は、現状、儘ならず。現状に限らず、いつ如何なるときにも儘ならず。
常に「平穏」や「安堵」から隔絶された激動の中で人は鬱積し、苦悩し、想いを掻き毟りながら、それでも何かを求め、探し、彷徨い、歩き続ける。
「生きる」と云うことそれだけで。たった、それだけのことが「カタルシスの対極」に存在する。
誘惑の馨りを携えて、悪戯っぽく微笑する、天使のような悪魔。
世界の最果てに想いを馳せるように。
届かぬ銀河の星々に手を伸ばすように。
それでも得られない。得難い。
否、だからこそ得難い。
故に「渇望」するのかも知れない。
ただ、だからこそ。
だからこそ「真っ直ぐ」に。
それだけでいいじゃないか。
俺は、そんな風に思う。