たゐに

たゐに【大為爾】

たゐにいで なつむわれをぞ
きみめすと あさりおひゆく
やましろの うちゑへるこら
もはほせよ えふねかけぬ

田居に出で 菜摘む我をぞ
君召すと 求食り追ひ行く
山城の 打ち酔へる子ら
藻は干せよ え舟繋けぬ


〔「大為爾」は四七字の初めの三文字の万葉仮名より〕
四七字の仮名を繰り返さずに、全部使って作られた五七調の歌詞。「あめつちの詞」に次ぐもので、平安中期頃の「いろは歌」に先行して作られたと考えられる。源為憲の「口遊(くちずさみ)」(970年成立)に見える。

___ spelt by vincent.