準える

「君にとって僕は何だい?」
「え? どうしたの。急に」

「や、喩えたら何なのかなって」
「ああ。そう云うこと。えっとねぇ…」

「何?」
「親戚のお兄さん」

「親戚の…?」
「そう」

「それはどう云う…」
「たまに遊びに来てお小遣いくれるの」

「小遣い… や、そうじゃなくて──」
「え? あたし、何か気に触ること云った?」

「や、そう云ったリアルなものに喩えるのではなくて…」
「えー。何だろ。何だろ。んー… じゃ、あたしはあなたにとって何なの?」

「君?」
「そう。教えて」

「脈拍──」
「!?」

「君は僕の脈拍さ」

そう云うと彼は微笑を浮かべた。
小さな胸の奥がトクンと脈打った。

___ spelt by vincent.

コメント (2)

$U 2011年1月13日(木) 02:05

微笑ましくて可愛らしい二人ですね。


私のハリネズミは御目通り適いましたでしょうか?

あの子も可愛がってあげてください

vincent. 2011年1月14日(金) 21:53

ハリネズミのジレンマ$Uバージョン拝見した。

ウチのスフレはシナモンカラーなのだが、
どちらかと云えば、僕の髪の毛の色に近い。

そこへ深紅の血飛沫が重なり、
蒼白と深紅のコントラストが角膜を突き刺し…

…てな、チープなスプラッタ映像ではなく、
もっと心理的な、脳の襞の深層をイメージさせる情景が浮かんだよ。

スピリチュアル・スプラッタ

ん、愛でましょう愛でましょう(´∀`*)

そんな感じで♪