*2018.05.10・草稿
]]>*2017.09.14・草稿
]]>*2017.06.24・草稿
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「なぁ、随分前に、花の美しさがどうのって云ってたよな?」
「おお。そんなこと云ってたな」
「事実を言葉で写生とか何とか…」
「よく覚えてるな。まぁ、名リリックだからな」
「で、不意に思い出したんだが、花は頭のてっぺんに生殖器を掲げているんだろ?」
「そうだな」
「花が枯れて、ごっそり落ちたら?」
「花が枯れて、ごっそり?」
「そう。ハラハラと、花びら1枚ずつとか散っていくならまだしも──ごっそりだぜ?」
顔を見合わせる二人。
「まぁ、今朝、庭でそんな光景を目撃したからお前の言葉を思い出したんだがな…」
「余計なこと思い出してくれたもんだぜ…」
色は匂えど 散りぬるを
我が世 誰ぞ 常ならむ──
「しょっぱいのぅ〜」
「お前は金魚か?」
「あ?」
「金魚の中でも
「どういうことだ?」
「醜い割りにゃあバカっ高え。そのくせ、煮ても焼いても喰えねえ」
「!?」
「つまり、どうしようもねえってこった」
*2016.10.16・草稿
]]>*2016.08.29 草稿
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恋 って云うから 愛 に来た──
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「弱音を吐く男──」
カウンターに坐っていた男が出し抜けに呟いた。ひとつ席を空けて坐っていた女は持っていたグラスを止め、怪訝そうに男を見つめる。
「って、君はどう思う?」
機嫌を伺うような眼差しで女の顔を覗き込む。女は視線を逸らすと、呆れたように吐き捨てた。
「うんざりだわ」
男はグラスの中の氷をカランと鳴らした。
「これはこれは。手厳しい」
女に投げた視線をボトル棚に向けると、男はグラスをひと口ちびりと舐めた。氷をカラカラと二、三巡させたあと、静かにコースターの上に置いた。