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皇帝は諭すのがお好き

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「これ、そこを往く平民よ。余を皇帝と呼ぶことを許可する」

眉を顰めた青年がはたと立ち止まり、皇帝に視線を向ける。

「は? えっと、僕に云ってるんですか?」

皇帝は顎髭を撫でながら表情を曇らせた。

「これはこれは、はてさて。。余の言葉が理解できぬと見える。
 如何ように換言すべきか。。」

痺れを切らしたように青年が云う。

「あの。もう行ってもいいですか? 急いでるんで。。」

それを聞き、皇帝は表情を明るくした。

「平民よ。『急がば回れ』である」
「や、遅刻するので。。」

皇帝を尻目に、青年は足早に立ち去ってしまった。

彼の背中を眺めながら、

「ウム。それも一理あるな。なかなかに優秀である」

と、感慨深げに目を細める皇帝だった。
ひとり取り残された皇帝の足許で一陣の風が舞った。

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